果敢な仕入れ 積ん読くリスト
「サリーのすべて」作品社刊。
オーストリアのアルノ・ガイガー著。装画がエゴン・シーレ「左足を高くあげた座る女」なので、手元におきたかった。
既刊案内の「悪い娘の悪戯」バルガス・リョサ、「無慈悲な昼食」エベリオ・ロセーロに関心が動く。
「ツーリズムの都市デザイン」鹿島出版会刊。
橋爪紳也さんの最新刊か。
「日本よいとこ、一度はおいで」といったノリの番組が多過ぎて食傷気味のあなた。世界は、インバウンドで稼ごうと開発に忙しいのだ。
まっさらから開発するのもあるが、地域資産を再生する動きもあって、バーミンガムの運河再生なんかうっとりする。
「永遠の歴史」ちくま学芸文庫刊。
本の広告には、「ボルヘスが絶賛」というコピーをよく見かける。
軽々に手を出して、すぐ挫折した本。哲学エッセイだから。
あきらめの先に、関心あり。「『千夜一夜』の翻訳者たち」は、バートン版で有名なバートン大尉の話だった。とはいえ、彼だけが業績を残したわけではない。
「通訳日記」文藝春秋刊。
ザックさん、今頃は家業のレストランと民宿のやりくりで忙しいだろうか。
サブタイトルは2つ。
・ザックジャパン1397日の記録。
そして、よく使った言葉だという
・i dettagli(詳細)
通訳の矢野大輔さんでなく、いつか本人の詳細を読みたい。
麻布子ども中高生プラザ 孫部
孫を連れて、あて先流浪の活動をしていた「孫部」。
梅雨と炎熱地獄をどうしのぐかが課題だった。見つけたのが港区にある「子ども中高生プラザ」。
赤ちゃんから高校生までを対象にした児童館。
今までは「赤坂子ども中高生プラザ」だけだった。新たに「麻布子ども中高生プラザ」にも拡張した。
最寄りは広尾駅。有栖川公園、都立中央公園、ドイツやフィンランド大使館の近く。
1階が本村保育園なので、保母さんがプラザに出張しておはなし会をやってくれるという充実ぶり。
もちろん、園庭で遊ぶこともできる。
なにより去年9月に完成したばっかりだから、ピッカピカなのだ。
1個○万円するような知育玩具が完備し、見たことないゲームで遊ぶ子ら。アリーナで運動プログラムもある。
港区は東京23区でダントツ金満区なんだろう。そして、4分の1は外国の子とお母さん。
子どもとは自国語で、僕とは日本語で話す。
外で遊びたけりゃ、公園もあるし。理想の「部室」をみつけたぞ。
ナッツに昆布にいりこ 禁煙食
完全に禁煙して1ヶ月以上経過。
口寂しさは、変わらない。何を食べれば適切か?
「塩っけのあるものばかり食べてると、高血圧になる」とは、「文字だっち」の弁だ。
食べ物や病気のことになると無頓着だったから、話が新鮮。
・おつまみ板昆布 星5つ
三陸産ボイル昆布使用 陸前高田地域振興(株)
・日高昆布 星3つ
北海道日高産 日東海藻(株)
・煮ぼし 白口 星3つ
瀬戸内海かたくちいわし使用 土佐屋商店
・食べるいりこ 星4つ
長崎県平戸産いわし (有)坂野水産
そこに、「肉のハナマサ」遭遇。運命の出会い。最初から「ハナマサ」に来ればよかった。業務用食材があるから種類豊富で安価だろ。
・プロ仕様 羅臼昆布
濃いだしが特徴で、2〜3回使えるだし昆布。(株)北海物産
・シャキシャキ茎わかめ ボーナスパック
肉厚な部位のみ使用し、伯方の塩で味付け (株)荘関
・プロ仕様 ミックスナッツ
8種類のナッツをとり混ぜて370g 金鶴食品製菓(株)
ひらめいた。
ミックスナッツに羅臼昆布と食べるいりこを混ぜる。これで孤独な間食品が完成した。
リオへ反撃準備 なでしこ
なでしこメンバーが帰国し、そろそろリーグ戦が始まろうって9日になって、やっと決勝ショックから立ち直る。
とにかく2−5のスコアだ。
立ち上がり16分の悪夢。ロンドン五輪と同じ、ロイドにしてやられた。
決勝トーナメントは、対戦相手に3強がいないグループに入ったことがラッキーだった。そして決勝相手ではドイツ、フランス、アメリカの内、アメリカが一番勝てる相手と思っていたんだが。
のりお監督は、「大人の自覚」に期待していたのか? これに目覚めてリオ五輪では優勝するかな。 それとも、メダル無しとなるか?
6日早朝の決勝を迎えるまで、5日は深夜からサッカー観戦だった。
まず、U20のW杯。ニュージーランドであった。
決勝はブラジル対セルビア。テニスのジョコビッチの国、セルビアがブラジルを下した。そして3位がアフリカのマリ。
A代表のように、ヨーロッパ勢はU20では強くないんだね。
地元チリ対アルゼンチン。
メッシ、アグエロ、ディマリア、イグアイン、マスケラーノとスター軍団のアルゼンチン。対してホームで奮起するチリ。
延長しても0−0。ガチにキレがあって、両者足止まらず。PKで、チリ初優勝。アルゼンチン、去年のW杯に続きまたしても手が届かず。
2つの試合を見て、なでしこへの番狂わせ期待はいや増したのに。
光林寺 ヒュースケン
渋谷から新橋へ向かう都バス「都06」系統。
天現寺交差点にある停留所が「天現寺橋」。慶應義塾幼稚舎で知られている。
では、隣の停留所「光林寺」は? 北里病院で知ってはいたが、まさか寺にヒュースケンの墓があったとは。
ヒュースケンは、駐日アメリカ総領事のハリスの通訳兼秘書。
東京タワーのふもと、現在の飯倉公園。万延元年は赤羽接遇所だった。
赤羽橋にあった外国人用宿舎兼応接所を出たヒュースケンは、麻布十番にあるアメリカ公使館がおかれた善福寺に向かう。
途中、中の橋で攘夷派の薩摩藩士に襲撃され、翌日死去。28歳だった。
「ヒュースケン日本日記」岩波文庫刊。
当時の日本の銭湯は、混浴だった。ハリスは嫌ったが、ヒュースケンはたびたび混浴の様子を見に行ったという。
政治の駆け引き裏話だけでなく、こんな見聞記があるなら読んでみたい。彼も驚いたろうが、麻布住民も驚いたろう。
梅雨が空けたら、墓所内を巡ってヒュースケンを探そう。
マジメとフマジメの間 岡本喜八
校正者の「文字だっち」が、岡本みね子さんの記事をくれたので、夫の喜八本を探してみた。
「マジメとフマジメの間」ちくま文庫刊。
岡本喜八監督、亡くなって10年経つ。
「日本のいちばん長い日」はリメイクされたが、元祖は喜八映画だ。
8月15日正午の玉音放送前の、長い一日。学生時代に見た。ヒリヒリして、歴史の現場に立ち会った気分だった。
「独立愚連隊」「江分利満氏の優雅な生活」「大菩薩峠」「肉弾」「青葉繁れる」「吶喊」「ジャズ大名」など。高名な映画を撮っていた。
名画座やフィルムセンターで、ぜひ特集をやってもらいたい監督だ。
17歳で戦争が始まり、21歳で戦争が終わる。戦死・戦傷者がもっとも多いのが喜八世代なのではないか。
世の中の捉え方に背骨が生まれる。頑固に「すべては、喜劇だ」。
破れの喜八、汚れの喜八、振られの喜八、オケラの喜八、ホトケの喜八、トボケの喜八。性分を、それぞれつきあう人が名付けた。
鬼才と言われて、おもわず宣伝部に駆け込んで「やめてくれ〜」と叫ぶも、部員が言うには
・新人や大物は、新鋭とか巨匠で間に合うが、それ以外は、ま、困った挙げ句に取り敢えず、ま、そう呼ぶシキタリになっている。
みね子さんとの出会い、その1。
早稲田の映画研究会に乗り込んだら、小難しいことをまくしたてる女が一人。
その2。
ひと月たって、三越本店のおもちゃ売り場を歩いていたら、「あらっ」と背中に声がかかる。ヨーグルトをおごってもらう。
その3。
またひと月たって、スキーを担いで上野駅を歩いていたら、また「あらっ」と背中に声がかかる。冷凍みかんをくれた。
これはなにかのオボシメシ。横隔膜が躍動したかは定かでないが、カタカタと貧乏ゆすり程度には振動した。
職人気質の照れ屋。
逝ける映画人を偲んで フィルムセンター
京橋のフィルムセンターのプログラムを見ている。
6月から9月まで、「逝ける映画人を偲んで」特集だ。4人の俳優が選ばれている。
三国連太郎選集は4本。
ドナルド・リチー選集というのもある。小津安二郎や黒澤明を海外に紹介し、研究書を発表した人らしい。実製作もやった。短篇5本を上映。
監督で並べれば、このラインナップどうでしょう?
川島雄三 「貸間あり」
五社英雄 「三匹の侍」
大島渚 「新宿泥棒日記」
曽根中生 「大人のオモチャ」
新藤兼人 「竹山ひとり旅」
戸井十月 「風の国」
今村昌平 「カンゾー先生」
観覧料は一般で520円、学生やシニアは310円。
時間を見ると、だいたい午後3時と7時に上映開始。
つまり1日2本立て。もちろん、1回終映したら出ないといけない。でも食べ物持参で、インターバルはセンター内の図書館で過ごし、2本目も見る。
などという夏の引きこもりに、うってつけだ。