スズメ猟師という仕事があった
三上修さんの好物は、あまり辛くないカレー。趣味は、マンホールの撮影。
町をひたすら歩くから腹が減るし、それに上ばかり眺めてるから首が痛くなるんだろう。下を見て、思わず気に入りのマンホールがあれば、パチリ。
軒下にある巣ばかり探す。たぶん、誰にでもできる芸当ではない。藁だの小枝だのが2〜3本すき間から出ているだけで、「1つ見っけた」と特定できるんだから。
視力バッチリに加えて、あたりの付け方が永年の経験でしょうか。
「スズメの謎」誠文堂新光社刊。
彼には、日本にスズメが何羽いるかが謎だった。そして、スズメは増えているのか減っているのか。増えたり減ったりすると、何がモンダイなのか。
スズメですよ? お客さん。
本人も、何故スズメの研究をするのかわからない。おもしろそうだから、だけ。
僕も、スズメは憎からず思っている。
なにしろ、頬を赤くして、振り袖着て踊る。善良おじいさんのなかよし。酔っぱらって、南京豆の殻を枕に寝る。
三上修兄さんの場合は、科学者だからフィールドワークと調査・分析にあけくれる。とはいえ、かみさんも鳥類研究をやるからホームドラマだよ。
・少し、心苦しい気持ちもあります。なんというか、崇高さに欠ける気がするのです。
研究が役に立つのか? がつらいのではなく、大衆迎合的なうしろめたさを感じるのだった。どんどん迎合してほしいよ。
夜明け前後、まだ生活音が無い時間帯に出掛ける。
屋根瓦の下、配管口、道路標識のすき間、樹木の洞に巣があるという。
都市の鳥類・昆虫と草木の食物連鎖が、あらましわかった。先ほどの謎の答え、それはぜひとも本書を読んでほしい。