清澄白河再開発 ジュリアン・シュナーベル

4月20日夜10時。ニッポン放送「吉田拓郎 僕のラジオ with 坂崎幸之助」。過去の放送はU-Tubeでも聞ける。それほどだから、「伝説のコンビ 一夜限り復活」と書かれた番組案内を読んだので、ほこりをかぶったラジオを合わせる。拓郎69歳だってよ。それ…

ブルー・ボトル・コーヒー 江東区平野

去年から月1回、平日白昼に「あ〜でもねぇ、こ〜でもねぇ」とやっている。2人連れの相方は、クリエイティブ仲間の「クリだっち」。彼の地元散歩、今回は清澄白河だ。清澄庭園と深川江戸資料館と都現代美術館が、定番スポット。清澄庭園の隅にある深川図書…

豆100%ビーノ 東ハト

前にイベリコ豚の話をした。豚が、ハムや精肉という商品になる過程に人がいる。経済番組や記事に出てこない仕事。全然華々しくない意見調整とか説得とか試作とか。あまねく売るために必要なのは、安定供給。品質が安定し、数量も安定していないと。食物を工…

外苑前の花見 カメだっち

寄り合いがあって、「また来年も」という別れの挨拶はお約束でしょう。めったに、来年やることは無い。ところが、外苑前に事務所を構える広告写真家の「カメだっち」は、毎年「桜が咲き始めましたよ」と一報をくれる。ありがたい。事務所は4階にある。する…

イベリコ豚を買いに 野地秩嘉

野地秩嘉さんは、高倉健やポール・マッカートニーのインタビューを成功させたノンフィクション作家。食べもの、海外もの、企業もの、美術ものも書く。イベリコ豚に興味を持ったのは、食べものや海外もの取材の延長からだろうか。彼が関心を持った時、日本で…

認知症サポート 杉山孝博

中国では、二度童(わらし)と呼ぶらしい。日常生活がうまくできない認知症の姿から、「二度目の赤ちゃん」。赤ちゃんなら、わかりやすい。どう見ても普通のじいさん・ばあさんだから、まわりがとまどうのは無理ない。4段階を経て、ちゃんとつきあえる。ス…

103歳になってわかったこと 篠田桃紅

103歳になっていた書家の篠田桃紅さん。「103歳になってわかったこと」幻冬社刊を出した。処世術本で、広告に内容を列記するやり方は幻冬社が始めたことなのか。けっこう詳細に書かれているので、それで納得して本を買う人がいないのではと危惧する。…

沈黙の春 レイチェル・カーソン

前に横浜図書館で「ブルー・カーボン」の話を聞きに出掛けた。ブルー・カーボンとは、新聞の片隅の、さらに片隅で報道されるようなネタ。水棲植物がCo2を吸収して光合成をする話。樹木のグリーン・カーボンに対して、ブルーということ。講演席の後ろの壁に…

カレル・チャペックの童話の作りかた チャペック

代表作「ロボット」「山椒魚戦争」は読んでない。長いこと、カレル・チャペックはSF作家だと思ってた。人類初、ロボットという言葉を発表した人。都立園芸高校へバラ栽培の講習に通っていた時、彼の「園芸家12ヶ月」を読んだ。この人は、ガーデニングもや…

ハーレムの闘う本屋 ミショー・ネルソン

5月27日、日比谷図書館で講演「図書館建築を読む」がある。第1回は「光の構想設計」。東京芸大の桂英史さんの話。前に多摩美の図書館の本を読んだ。学生が本と出会う現場のために、キャンパスのどこに建て、館内をどのようにレイアウトし、書架からテー…

クラウドソーシング 吉田浩一郎

「クラウドソーシングでビジネスはこう変わる」ダイヤモンド社刊。長いから、表紙に3行のタイトルだ。書籍の校閲をやる「文字だっち」から、メールがあった。「最近の世の中は、こうなってる」と送られて来た文を読む。たとえば、インタビュー原稿のテープ…

日本の木造遺産 藤森照信・藤塚光政

藤森照信さんは、コンクリ建築の歴史だけじゃないんだね。建築史家ならあたりまえか。「日本の木造遺産」世界文化社刊。史家のみならず、実際に建築もする。赤瀬川原平さんの家「たんぽぽハウス」を設計した。でも、余技・冗談の臭いでしょ?ところが「神長…

内務省委託本 千代田図書館

千代田区役所の食堂に入る。落語CDを求めて三千里時代によく通った。予約をして、一息入れようと食堂でご飯を食べた。学食も好きだが、役所の食堂もいいよ。なんでもかんでもCafe化する時代に、落ち着く。理想は、手拭いぶら下げた用務員のおじいさんがヤカ…

競泳 第91回日本選手権水泳競技大会

ところで水泳日本選手権見てます? 辰巳国際プールで行われてるやつ。枯れ木も山のにぎわい、1人でも多く観客がいれば選手に気合いが入るだろうと、日本水泳連盟に電話しちゃいました。午前が予選で、夜が準決勝・決勝。放送では決勝しかやらないから、ライ…

ディオールと私 ラフ・シモンズ 

軽々と影響を受けやすい小生。若手・中堅ファッションデザイナーが「凱旋イベント」を開いた。どこから凱旋したかといえば、パリから。1月に行われた展示会は、東京都と繊維ファッション産学協議会合同で支援した。もちろん、輸出拡大のため。中には欧米の…

キトラ・ボックス 池澤夏樹

KADOKAWAが発行しているPR誌「本の旅人」。4月号で池澤夏樹さんの「キトラ・ボックス」連載がスタートした。・本当にそんなものがあるのか、為元(ためもと)は初めから半信半疑だった。時代小説? 彼は、時代小説も書くのか?1回あたり10ページの原稿。…

野菜のチップス果実のチップス 藤田承紀

かけそば・かけうどんを基本に、トッピングは自由選択する店が多い。すると、従来からのメニューが不自由に感じる。なにしろトッピングする種類がたくさんあるので。とはいえ、すべて天ぷらだ。ここに、プライドポテトが登場した。揚げものはなじむらしい。…

それから 夏目漱石

朝日新聞連載小説の再録「それから」が4月から始まった。過去「こころ」「三四郎」の評判よろしく、漱石シリーズ第3弾。三四郎の、その後の物語だから「それから」というタイトルだといわれている。大学を卒業しても就職せず、一戸をかまえるも親の金で暮…

日本文学の大地 中沢新一

中沢新一さんが、古典を読んでいたとは意外だった。なんたって「森のバロック」ですよ。これしか知らず、しかも読んでないけど。プロフィールを読むと、以外に「古代から来た未来人 折口信夫」「チベットのモーツアルト」「はじまりのレーニン」とあった。日…

コジ・ファン・トゥッテ 前澤均

半年に1回のクラシックコンサート。大田区ハイドン室内管弦楽団の演奏会に通いつめて4年くらいだ。アプリコ大ホールの敷地は、もと松竹蒲田撮影所。蒲田駅で流れるのは「蒲田行進曲」。当初は前のめりになって聴いていた。席も5列目くらい。今回は後ろの…

グリーンセラピー読本 大野由起子

ランドスケープ・プランナーという仕事。内装屋が空間プロデューサーと名刺に刷り、ブランド・アーキテクチャーにいたっては実態不明。業務と業務の際、業際を繋ぐ仕事に目を付けたのだろう。新しい感覚で仕上げるのでワンストップでお任せください、という…

福島屋 福島徹

六本木一丁目は、森一族野望のビル・マンション群で辺りを睥睨している。一族は徳川家康に似て、とにかく忍耐深く地上げをする。計画では、さらに広い地所だったかもしれないが、完成した暁は貧乏くさくない。汐留地区の無計画さに比べれば、なんぼかマシ。…

つながる図書館・博物館・文書館 吉見俊哉他

文京区にある小石川図書館は、レコードが充実している。もちろんCDもあるが、それはどこでも借りられる。それよりレコード。プレーヤー完備で、好きなだけ聴ける。この際、音楽はどうでもいい。それより、レアを求めてジャケットをせっせとめくると、落語が…

お江戸超低山さんぽ 中村みつを

花見花見の真っ盛り。どこもラッシュだろう。渋谷ハチ公前は356日ラッシュだが、ここにも1本桜が満開だった。徳川吉宗が花見の場として整備した北区の飛鳥山。上野の山は菩提寺の寛永寺の地所だったから、当時の名所としては飛鳥山がポピュラーだったの…

春に散る 沢木耕太郎

年度末の3月が終わる。12〜1月から始まった年度のロングスパートが終わって、何はなくとも新規一転の4月スタートだ。どうして、素直に1月1日をスタートにしないのだろう? アジアには旧正月がある。イスラム教にはラマダンがある。アメリカでは、9月…

海軍乙事件 吉村昭

太平洋戦争中に、海軍では甲事件と乙事件があった。甲事件とは、連合艦隊司令長官・山本五十六大将の戦死。ラバウル基地からブーゲンビル島へ前線将兵をねぎらうために一式陸上攻撃機で飛びたった。参謀長と分乗した2機は、敵機の来襲を受けた。事前に米軍…

ジャック・ドゥミの少年期 アニエス・ヴァルダ

映画「シェルブールの雨傘」を監督したジャック・ドゥミ。かみさんのアニエス・ヴァルダが監督したのが「ジャック・ドゥミの少年期」。亭主の少年期を映画にした。世代では、2人ともヌーベル・バーグなのだろう。ところが、ヌーベル・バーグと形容されて名…

死を招いた保育 猪熊弘子

4mの円形プール、深さ20cm。3歳の子どもが遊んでいて溺死した。幼稚園の先生は過失致死で50万円の罰金が確定。追って31日は園長への判決がある。1〜2分の間に起きた事故。20cmでも、溺れる。ギョッとした。4月から、いよいよ孫を世田谷総合運動…

千代田図書館vol.10 新谷迪子

図書館司書や美術館学芸員は、教職と同じように大学で取得できる資格だ。ボンクラ学生だったが、意地もあった。職業として「〜でもやるか、〜しかできない」と、どれにもひっかからない人間の最後の選択肢のように映った。地味だし。変わって、45年後は興…

アレクセイ・ゲルマン 監督

3時間ばかり、「これでもか、これでもか」と擦り込まれるような映画を見た。ロシアのゲルマン監督「神々のたそがれ」。SF「猿の惑星」は、宇宙船の着陸先が猿が支配する地球だった。「神々のたそがれ」では、800年進化が遅れた惑星の物語。歴史SFという…